那未被污染的大地,享受着太阳的恩惠,润泽着天山的雪水,
具备了天堂的条件——因此,产出了奇迹的新疆米
汚れない大地、太陽のめぐみ、天山山脈の雪どけ水――
すべてが満たされた“奇跡の新彊米”
どこに行っても工場ばかり、そんな中国で有機米などできるのか――。半信半疑で米の生産地を訪ねた。場所は新彊ウイグル自治区のアクス(阿克蘇)。タリム盆地北部のアクスまでは上海からウルムチまで空路5時間、飛行機を乗り換えさらに2時間かかる。中国の西の果ての大地では、なんとアヒルを使った米の有機栽培「合鴨農法」が行われていた。
「ガーガー、グエッ、グエッ」。真っ白なアヒルが群れをなして、バシャバシャと水を蹴ってやってくる。水の中で回転するアヒルの脚が土をかき混ぜ、自然と酸素が入り込む。田んぼでアヒルを飼うと、いろんな利点がある。雑草や害虫はアヒルのエサになり、その糞が田んぼに養分として帰って行くのだ。
今年3月、地元の兵団が開墾したばかりの田んぼにアヒルのヒナが放たれた。汚染されていない新彊の大地に、夏場は16時間以上も太陽が降り注ぐ。田んぼに流れる用水路ももとをたどれば天山山脈の雪どけ水だ。これだけでも、有機栽培には十分な自然環境が整う。この乾燥したこの地には虫害もなく、除虫剤を撒く必要もない。化学肥料の代わりに与える養分は「油搾餅」。「油搾餅」とは牛糞にヒマワリの種から絞った油の粕を混ぜたもので、請負農家の自家製だ。「16団」という兵団が管理する農地には36の牛舎があり、1000頭以上の牛がいる。その牛が食べる芦もまた化学肥料とは無縁。その牛の有機糞を使って有機米を作ると言うみごとなサイクルができ上がる。日本の農業はその発展の過程で畜産をすっかり切り離してしまい、化学肥料と機械化に頼る農業を目指す一時期が存在したが、この農地ではそれを反面教師に「合鴨農法」を取り入れ、完全有機栽培を貫こうとしているのだ。
◆“開墾ホヤホヤ”は汚染がない
ところで、前述した兵団とは新彊生産建設兵団のことで、1952年に新彊に駐屯していた人民解放軍が56年に武装解除、引き続き開墾と辺境防衛に当たり現在に至っている。もともとアクスは稲作地帯ではなかったが、日本で言えば北海道の屯田兵に相当する「漢族による開拓民」が稲作をもたらしたと言う。文革時代に都市部から知識青年を農村に移住させるという「下放運動」も、江南流域から米の品種がもたらすきっかけとなった。また汚染されていない農地で栽培ができるのも、開墾という重要な役割を持つ兵団だからこそ。アクスでは「16団」が中心となり、土地の開墾と開墾した土地の有効利用の任務に当たっている。03年から有機栽培をはじめ、今年「OFDC」(有機食品発展中心、本部南京市)による有機認証を取得した。合鴨農法は04年、江蘇省で開催された国際鴨稲会で古野さんと出会ったことをきっかけに、今年から実験的な取り組みを開始することに。現在、ここでは「アキタコマチ」と「19-1」という2種類の米を育てている。
◆合鴨農法が全国に伝播
編集部が水田を訪れたその日、28年前から日本で合鴨(この水田ではアヒル)農法を実践し続けてきた古野隆雄夫妻が農場の指導に訪れていた。アヒルを放した376ムー(1ムー=666平米)の水田を見渡し、「中国はじめアジアの各地を見てきましたが、アクスは中国一の自然環境が整っています、ここは世界的な有機栽培のモデル地区になるのでは」と古野隆雄さん。開墾したての処女地はつい最近まで道路すらなかった。だからこその絶対的な競争力がここにはあると言う。
古野隆雄さんは、この合鴨農法を中国でも広めようと92年に広州に訪れたことがある。しかし、前近代的な農法に対する反応は乏しく、「92年から10年はなかなか中国では広がらなかった」(同)。ところが、この4、5年で火がついた。背景にあったのは中国のWTO加盟。WTOに加盟すればいやがおうでも、世界の市場から安い農作物が入ってくるわけで、これに太刀打ちできる強い農業の必要性を中国政府が認識し始めたのだ。中国政府は90年代初頭から「米の生産量を増やす政策」から「安心?安全」を提唱してきたが、農村という生産地に浸透するようになったのはごく最近になってからのこと。この農場では日本のJAS認証をも取得しようという計画を持ち、国内市場も去ることながら、海外への輸出も狙っているのだ。
◆収穫量は少ないが
合鴨農法の実験地ではこの秋8万キロの収穫を予定している。化学肥料を使えば1ムー当たり500キロの収穫も可能だが、この農法では1ムー当たりの収穫は300~400キロになってしまう。しかし今は、量より質の方が大切だ。「06年は5000ムー、07年には1万ムー、2010年には1万ムーにまで有機米の面積を拡大したい」と「16団」の朱維団長はやる気まんまん。まもなく収穫期を迎える新彊アクス(阿克蘇)の有機米。販売拠点が決まり次第、弊誌読者に速報をお伝えしたい。
【古野隆雄さんと合鴨農法】
雑草防除、害虫防除、養分の供給などなど合鴨が稲に与える効果は実にさまざま。このシステムでは「厄介者」のはずの雑草や害虫が、合鴨のエサになり、糞になり、稲の養分になってしまうのだ。この合鴨農法に28年間にわたって取り組んでいるのが古野隆雄さん、中国はじめアジア各地で指導に当たっている。合鴨農法には稲作と畜産が合体するという利点も。田んぼでご飯とおかずができる、そんなヘルシーなサイクルをも描くことが可能なのだ。またこの合鴨農法については米どころの江蘇省の鎮江市が全省に先駆けて2000年に着手、これを成功例に今、中国全土に広がりつつある。
写真①
367ムーの土地は、「アヒルだけの水田」、「普通の有機栽培を行う水田」、また「日本のHB-101という農林水産省JAS有機認証を取得した天然植物活力液を投入した水田」、「HB-101とアヒルを投入した水田」の4つの実験地に分けて栽培を行っている。
写真②
田んぼにはいろんな種類の生物がいる。「トンボも日本以上に種類が豊富ですね」と古野夫妻。
写真③
アクスの街からさらにクルマで100キロ、この農場は太古以来、汚染されることのなかった開墾地だ。3年前までは道すらなかった。工場も周辺40キロ四方には見当たらない。
写真④
「新彊のアクスで合鴨農法の実験が始まったことは大変うれしいですね」と古野さん。
写真⑤
収穫は1ムー当たり300キロ前後。今年は全体で8万キロの収穫を見込む。
写真⑥
お米の実験栽培地。ここでは36種類の米を栽培。「16団」では水田の15%をアキタコマチが占める。
写真⑦
新彊生産建設兵団環境保護科学研究所の万勤所長。「16団」は同研究所の指導を受け、合鴨農法の実験を行っている
写真⑧
牛を飼うのは糞で有機肥料を作るため。有機循環プロジェクトが進行中だ。
写真⑨
これほどまとまった処女地が得られるのは他にない
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